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「エヴェレスト 神々の山嶺」完成間近
被災したロケ地・ネパールにエールを送る

2015年10月25日

東京国際映画祭「EVEREST フレンドシップ会見」・「エヴェレスト 神々の山嶺」製作過程報告会見

<左から、夢枕獏氏(原作)、角川歴彦氏(製作代表)、
マダン・クマール・バッタライ特命全権大使(在日本ネパール国大使)、平山秀幸監督>

全世界で翻訳されている夢枕獏氏のベストセラー小説を、岡田准一さん主演で映画化した「エヴェレスト 神々の山嶺」の製作過程報告会見が10月25日、第28回東京国際映画祭が開催中の六本木ヒルズで行われ、夢枕氏をはじめ、製作代表の角川歴彦KADOKAWA取締役会長、平山秀幸監督が出席いたしました。

映画化が望まれながらも、そのスケールの大きさから実現に至らなかった同作。キャスト、スタッフは今年3月、実際に現地ネパール・エヴェレストに飛び、高度5,200メートル付近や首都・カトマンズで過酷なロケ撮影に臨みました。その直後に、ネパール地震が発生。会見ではロケに協力してくださった現地の皆さんへの感謝をこめて、在日ネパール大使に義援金を贈呈いたしました。当日の模様をレポートいたします。

角川歴彦氏(製作代表)

第28回東京国際映画祭の席で、この作品に関する初めての会見が開けることを嬉しく思います。本日はよろしくお願いいたします。
平山秀幸監督

この作品は今年3月、ネパールで撮影を行い、今は12月の完成に向けて追い込み作業をしています。最後まで頑張っていきたいと思います。
夢枕獏氏(原作)

私も撮影現場であるネパールにお邪魔して、皆さんが全力で作品づくりに取り組む姿を拝見しました。がっちりと団結していたので、すごい映画になるとドキドキしております。


MC:まずは角川製作代表から、本作が製作されるに至った経緯をお話いただきます。

角川氏:
日本には井上靖さんの『氷壁』、新田次郎さんの『八甲田山死の彷徨』といった山岳ミステリーの傑作がありますが、この映画の原作であります夢枕先生の『神々の山嶺』もそれらに劣らず素晴らしい作品です。ただ、映画化するとなると、スケールが大きすぎて、手に負えないと思い、当初は遠慮していました。その後、いろんな方に相談しましたら、実はさまざまな映画人が『神々の山嶺』の映画化に意欲を見せていることがわかりました。
今回、パートナーとして東宝さん、TBSさんに参加していただき、ついに映画化が実現できて嬉しく思っています。もちろん、エヴェレストに匹敵する高さのハードルがたくさんありましたが、「愛を乞うひと」でご一緒した平山監督が「ぜひ挑戦したい」と手を上げてくださり、素晴らしいキャストが揃い「これなら実現できる」と安堵しました。
何しろ、岡田准一さん、阿部寛さん、尾野真千子さんという日本を代表する俳優さんが、5000メートル級の山を登るということでしたから、この3人には心から敬意を表したいです。そして、日本の皆さん、世界の皆さんにも発信していきたいと思います。


MC:約10年前に執筆された『神々の山嶺』が映画化されることになり、どのようなお気持ちでしたか?

夢枕氏:
実はこれまで、何度か映像化のオファーがありましたが、すべて頓挫してきた経緯がございます。やはり現地でのロケ抜きでは成立しない物語ですし、それが大きなハードルとなっていたからです。今回、さまざまな協力をいただき、皆さんの"本気度"が実写化を実現させたことが、今でも信じられない気持ちであります。私として本当にありがたいですし、この小説を書いて良かったなという思いです。まだ編集の段階だと聞いていますが、一観客として映画の完成を心待ちにしています。

MC:現時点で、どのような映画に仕上がりそうでしょうか?

平山監督:
高所恐怖症の自分がとてつもなく高い場所に、キャストの皆さんとスタッフを連れて行くわけで、「やるしかないな」と、かなりの覚悟が必要でした。そこがすべてのスタートでした。現地の方やコーディネーターの皆さんや、あらゆる人の力に支えられて、僕ら全員が仕事をできたと思っています。実際に映像を観ていただければ、その素晴らしさがわかっていただけると思います。

■会場では約6分間のメイキング映像が上映され、その壮大で過酷なロケ現場の様子に、大きな拍手が起こりました。

MC:現地ネパールで撮影に臨んだご感想をお話いただけますか?

角川氏:
僕は高地での撮影を終えたスタッフの皆さんを出迎えるという、一番ラクな役割だったんですが...(笑)。ヘリコプターの操縦士さんに勧められて、5800メートル上空まで上がりまして、実際この目で見たエヴェレストのパノラマは、生涯忘れられないものになりました。平山監督は、撮影に入る前に4回もエヴェレストに行っているんですよ。4回ですよ。そんなことができるのは世界でも、平山監督だけだと思います。本当にご苦労さまでした。夢枕先生も現場に来てくださり、ありがとうございました。

夢枕氏:
私は20年前にエヴェレストに行ったことがあります。そのときは体力もありましたが、今は64歳になりまして、這うようにして現場にたどり着きました。そこで皆さんが普通にお仕事をしているので、「いやあ、映画人ってすごいな」と思いました。日本での撮影なら、毎日それぞれ家にお帰りになるでしょうけれど、現地では撮影が終わっても、皆さん一緒なんですね。やっぱり仲間意識が普段の10倍以上に高まるんじゃないかと思いました。それが映画をいい方向に向かわせると期待しています。

平山監督:
下調べやロケハンでエヴェレストに4回行きましたが、今、メイキング映像を観て、また行きたくなりましたね。幸い、スタッフ、キャスト誰一人として高山病の症状が出ることなく、撮影を終えることができました。現地の皆さんからは、「ミラクル」だと言われました。多くの皆さんのご協力や支えのおかげで、無事に下山できたのだと思っております。

MC:改めて、本作への思いをお聞かせください。

角川氏:
日本人として、素晴らしい原作を日本人が映画化し、世界のマーケットで発表できることを誇りに思っております。皆さんには来年3月の公開まで、この作品を応援していただきたいと思います。そして改めて、岡田准一さん、阿部寛さん、尾野真千子さんに感謝したいと思います。

夢枕氏:
私も現地で岡田准一さん、阿部寛さん、尾野真千子さんとお会いしたんですが、皆さん素晴らしいです。実際、5000メートル級の山を登るのは、地獄のような体力の消耗なんですね。そんな困難をすべて乗り越えて、演技する姿はカッコ良かったです。素晴らしい映画になると思います。

平山監督:
エヴェレストという神々に一番近い場所で撮影したこの作品で、ソウルムービーを目指したいと思います。

MC:さて、先ほどご覧いただいた映像には首都カトマンズが映っておりましたが、今年4月25日に発生したネパール大地震により、残念ながら多くの建物や寺院が倒壊し、現在は町の様子も大きく変わってしまいました。映画撮影でお世話になった方々も多く被災され、映画関係者は心を痛めております。地震から半年経ちました本日、被災地への義援金を贈呈したいと思います。マダン・クマール・バッタライ特命全権大使、お入りください。

■角川氏からバッタライ大使に、義援金が手渡されました。


マダン・クマール・バッタライ特命全権大使(在日本ネパール国大使)

この作品でネパールの自然、伝統、文化遺産を広く知っていただけることを、ネパール人として光栄に思います。半年前にネパールでは大きな地震がありましたが、それ以前の様子が映像に収められたことも、大きな価値があると思います。この作品をきっかけに、ネパールに行ってみたいと思う人が増えればいいと思っております。


角川氏:
日本人にとってネパールは遠い小国という印象ですが、実際には2600万人の国民が暮らす国で、首都のカトマンズは大都市なんです。地震が起こったことは、日本人としてもショックですし、心が痛いです。改めて応援したいという気持ちを、ささやかですが表現できるのは光栄なことです。また、ぜひこの作品を日本公開の前に、ネパールの皆さんにご覧いただく機会を作りたいと心から思っております。

■この日は、「EVEREST フレンドシップ会見」と銘打ち、同映画祭の特別招待作品であるアメリカ映画「エベレスト3D」との合同会見が実現。バルタザール・コルマウクル監督と、唯一の日本人キャストとして七大陸最高峰を制覇した登山家・難波康子さんを演じる女優の森尚子さんが出席しました。

バルタザール・コルマウクル監督

撮影を振り返ると、ネパールの自然の美しさに圧倒されたことが、今も心に刻まれています。この美しさをどう映像でとらえるのか、何よりも先に考えましたし、その先の苦労は数えきれませんでした。
森尚子さん(難波康子役)

私もネパールの大自然に圧倒されて、人生観が変わりましたね。個人的には、ネパールの皆さんが本当に素晴らしい人柄をお持ちだと思うんです。特に子どもたちの笑顔が素晴らしく、一緒にサッカーをした思い出が忘れられません。


MC:同じエヴェレストを舞台にした日米の映画が公開されることになりましたが、「エヴェレスト 神々の山嶺」が完成したあかつきには、コルマウクル監督もご覧いただけるのでしょうか?

コルマウクル監督:
非常に興味があります。ぜひ拝見したいです。

MC:角川氏はすでに「エベレスト3D」をご覧になったそうですね。

角川氏:
とても素晴らしい作品でした。両方の作品を観れば、エヴェレストという山が人間を拒絶する森厳な場所だとお分かりいただけるはずです。

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