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豪華なMOZUキャストが勢揃い!
西島秀俊・ビートたけしが語る初共演秘話とは...!!

2015年10月27日

「劇場版 MOZU」ワールドプレミア

<上段左から、羽住英一郎監督、池松壮亮さん、香川照之さん、松坂桃李さん、杉咲花さん
真木よう子さん、西島秀俊さん、ビートたけしさん、伊勢谷友介さん>

「映像化不可能」と言われた逢坂剛原作の警察小説「百舌(もず)シリーズ」を、TBSとWOWOWの共同製作で連続ドラマ化し、重厚なストーリーと本格的なアクション、ドラマの枠を超えた映像作りで日本のみならず、海外でも高い評価を受けた「MOZU」。その完結編として映画化された「劇場版 MOZU」がいよいよ完成し、10月27日、開催中の第28回東京国際映画祭にてワールドプレミアが行われました。

トークイベントと舞台挨拶には、主演の西島秀俊さん、香川照之さん、真木よう子さん、伊勢谷友介さん、松坂桃李さん、池松壮亮さん、杉咲花さん、ビートたけしさん、羽住英一郎監督が出席。1カ月にわたって行われた過酷なフィリピンロケの様子などが語られました。キャストの皆さんの自信のほどが感じられるトークに、観客の皆さんの期待が最高潮に高まったトークイベントと舞台挨拶の模様をレポートいたします。

【トークイベント(挨拶順)】

羽住英一郎監督

キャスト・スタッフが命がけで撮った「劇場版 MOZU」が、ようやく完成しました。ぜひ劇場で楽しんでもらえればと思います。
西島秀俊さん(倉木尚武役)

こんなにたくさんの方に、温かく迎えてもらって、感動しております。寒いので、皆さん暖かくして楽しんでいってください。
香川照之さん(大杉良太役)

西島さんが「こんなにたくさんの方に」とおっしゃったんですが、逆光でほとんど見えないです(会場笑)。私から見えるのは、あの宙に浮いているダルマ(のアドバルーン)だけで、ものすごく睨まれております(笑)。皆さんご存知のように、このダルマがどうなるのかが、この最終ステージです。その映画がようやく完成したということで、僕も待ち遠しいです。
真木よう子さん(明星美希役)

すごく長い時間ドラマをやっていたので、その最終形としてできあがった映画を今日皆さんにお観せできるのがすごく嬉しいです。皆さん、ありがとうございます。
池松壮亮さん(新谷和彦役)

本当にありがとうございます。たくさんの人たちとともに、たくさんの時間とお金を使ってようやく出来上がりました。あとはたくさんの人たちに観てもらうだけだなと思っています。
杉咲花さん(大杉めぐみ役)

今日はありがとうございます。この日を迎えることができて、すごく嬉しいです。たくさんの人に観てもらいたいです。
伊勢谷友介さん(高柳隆市役)

本当に今日はたくさんの人に集まってもらって、ありがとうございます。期待に沿えるような映画になっていると思います。楽しみに待っていてください。僕の役は犯罪プランナーです。聞いたことないですね(会場笑)? ぜひ観てもらえればと思います。
松坂桃李さん(権藤剛役)

「MOZU」シリーズの劇場版に参加できたこと、本当に幸せです。すごく嬉しいです。ものすごい作品になっています。皆さん、観てください。
ビートたけしさん(ダルマ役)

ダルマという役はなんだかよく分からなくて、メイク室に行ったらハゲヅラをかぶらされて、顔中やけどにされました。「これは誰でもいいんじゃないか?」と思いましたが、「存在感」とかいろいろなことを言われて、「存在感だったらやっぱり北島三郎じゃないか?」と言っていたんですが...。西島くんや監督に励まされてずっとベッドの上で寝ていました。申し訳ございません(笑)。


MC:「MOZU」が映画化され、ついに完結します。どんなお気持ちですか?

西島さん:
昨日オンエアされていましたが、「ダブルフェイス」という作品で香川さんと羽住組と初めてご一緒しました。そこで出会い、その作品から始まって「MOZU」のテレビシリーズ、来週オンエアされる「MOZU」のスピンオフ、そして今回ついに「劇場版 MOZU」でその集大成として完結するということで、監督にも「とにかく全力で振り切ってやってくれ」と言われました。これで決着をつけるつもりで撮影に臨みました。

MC:今回の「劇場版 MOZU」では、倉木をどのように演じましたか? テレビシリーズと同じところ、違うところはありますか?

西島さん:
テレビシリーズの最後で妻の(死の)謎が解けて、倉木が初めて眠りにつくところで終わるんですね。監督にはその時から「次に倉木はどこで目覚めるんだろうね」と言われていたんです。生きがいを失った倉木がどこで目覚めてスタートするのか、そして、また謎が見つかってそこからどう戦いに向かうのか、今までの倉木とは違う倉木が出ていると思います。

MC:ずばり「劇場版 MOZU」はどんな作品でしょうか?

西島さん:
この素晴らしいキャストの皆さんが、文字通り命がけの撮影をした、本当に観応えのあるアクション大作になっています。ぜひ楽しみにしていてください。

MC:ちなみに、今回はビートたけしさんとの初共演となりましたが、いかがでしたか?

西島さん:
たけしさんは僕にとって、僕を見出してくれた恩人です。僕の中では「心の師匠」...僕が勝手にそう思っているだけなんですが...(笑)。その方とこうやって俳優として対峙して共演できた時間は、僕の俳優人生で一番の宝のような時間でした。

MC:たけしさん、いかがですか?

ビートたけしさん:
僕が(西島さん主演の)「Dolls」を撮った時は十数年前でした。それから(西島さんは)ここ数年で着実に実力をつけて、人気も上がって、日本を代表する役者になったのに、私に一銭もお礼をくれない非常に不義理なヤツだと思っています(会場笑)。私は10円でも20円でも...病気だってもらう男ですから、よろしくお願いします(笑)。

MC:香川さんも「MOZU」とは長いお付き合いになりました。大杉役をどのように演じられてきましたか?

香川さん:
2年前の秋に「MOZU」というドラマのクランクインをしました。それから2年以上経って、まだ関わり続けられる幸せの中にいます。最初に皆さんがご覧になった「MOZU」で僕は刑事でしたが、劇場版では探偵になっています。これは原作通りなんですが、なぜ探偵になったのか何も説明されずクランクインして、これまでとはまったく違う衣装を着せられ、「こんな人物だったかな」と思いながら手探りで演じていました。そして時系列とは逆になるんですが、その後にスピンオフを撮影して初めてこの大杉という人物が分かった気がして、もう一回、映画版を撮り直してほしいなと思いました(笑)。大杉を分からないまま(劇場版の撮影を)やっていたのではないかという悔しい気持ちがあるぐらい、時系列をバラバラにしながら一年間撮影して、役者としての幸せを味わえたなと今は思っています。

MC:スピンオフを見ると、大杉のことがもっと分かるということですね。

羽住監督:
スピンオフの2本がまたとんでもないことになっています。TBSで放送される 美しき標的篇は間口が広いのでぜひ楽しんでもらいたいです。

香川さん:
WOWOWで放送される 砕かれた過去篇はさっぱり分からない、「MOZU」ファンにとっては大好物の仕上がりになっています(笑)。端から端までその2本でやっていますし、仕上げの劇場版は本当にすごい出来になっています。流れで全部ご覧ください。

MC:そしてフィリピンロケは大変だったと聞いております。現地の人も行くのをためらう場所だったそうですが...。

香川さん:
最後まで僕は「シンガポールでいいんじゃないか」「タイでいいんじゃないか」と言っていたんですが聞き入れてもらえず...(笑)。僕が今までに見たことのないような風景と臭い...臭いは映っているかどうか分からないですが...。数々の人が食中毒に倒れ、私は初日から最後までピーピーでした。うちの娘の杉咲なんかは、昆虫が大嫌いなんですよ。なのにいたるところに「ゴ」で始まる昆虫がいらっしゃるものですから、ホテルから一歩も出ない訳ですよ。一歩も出ないで、回鍋肉ばかり食っている...(注:杉咲さん出演のCMの話です)。

杉咲さん:
違います(会場笑)。

MC:西島さんもフィリピンはいかがでしたか?

西島さん:
「貴重品は一切持っていかないでくれ」と言われたり、ボディガードがいないと一切撮影できないような場所でも撮影したり、日本では考えられないようなカーアクションをやったり、とにかく毎日、戦場にいるような日々でした。僕も、ろっ骨にヒビが入ったり、左肩を壊したり、右目の角膜を剥がしたり、実際に過酷で身体はボロボロになりました。でも、それがすごく楽しかったです。

MC:真木さんは今回の劇場版への出演はいかがでしたか?

真木さん:
でも、美希はあんまり出てこないんです...(会場笑)。拉致されて、戦ったりとかもあまりしないです。私もフィリピンには2日間ぐらい行ったんですが、ただ布袋をかぶせられて、それを外されるというシーンだけで、それだけで日本に帰ってきました...(会場笑)。だから、さっき予告も観ましたが、私としては一観客として皆さんと同じように「あ、面白そうだから観てみたいな」と思いました(笑)。

MC:予告映像にも出てきた明星と倉木の雨のシーンが非常に印象的ですが、あのシーンはどのような感じでしたか?

真木さん:
最初は「肩を抱く」といったことが台本に書かれていたんですよね。でもそれをやめて、美希がすごくつらい状況になっているということを倉木が察して、美希が我慢できずに「ウゥ」となるというシーンなんです...。

西島さん:
「MOZU」では珍しいシーンですよね。テレビシリーズでも倉木と美希の関係は微妙で、観ている方にも「どうなるんだ?」と言われていたんですが、劇場版でもちょっとそうした関係が見えるのかなと思います。

香川さん:
スピンオフ版での大杉はそうしたシーンばっかりですよ。だらしがない(笑)。

MC:池松さんもフィリピンでの撮影に参加されましたね。特に松坂さんとのバトルはすごかったですが、あのハードなアクションを撮影されていかがでしたか?

池松さん:
大変でしたけれど、僕も2日間ぐらいだったので楽しかったです。言われた通りに動いただけです。

MC:松坂さんはいかがでしたか?

松坂さん:
撮影が終わってホテルに戻ってきても、ベッドにバタンと倒れ込んで寝るだけで、気づいたら寝ていたというぐらいハードでした。でも、今までやったことのないようなことを結構やらせてもらったので、それはすごく貴重で楽しかったですね。もう一回やれと言われたら絶対にイヤですけれど...(笑)。

MC:杉咲さんはテレビシリーズから続けての出演ですが、羽住組はどういった現場なんですか?

杉咲さん:
すごくかっこいい現場です。スタッフさんも監督も、本当にイキイキしています。だから、現場に入ると「あ、アドレナリンが出ている」と思っていました。

MC:すべての事件の黒幕"ダルマ"のオファーを受けて、出演を決めたその決め手はなんだったんですか?

ビートたけしさん:
なんだか分からないけれど怖いヤツだと聞いて、お金をくれるんだったら出演する、と...(笑)。それと、ただ寝ているだけで、特殊メイクで誰だか分からないと聞いて、「ヘタだよ?」と言ったんです。けれど、「セリフはあまりないですから」というので、「まあ、いいや」と思って出演することにしました。みんなはフィリピンであれだけすごいことをやっているのに、僕はただベッドで寝ていただけなので、あまりエラそうに言える立場じゃないんですよ。ただ、最後に、火に囲まれてローストビーフ状態になったので、「なんで、そこだけCGじゃないんだよ」という文句はありましたよ(会場笑)。なんでLPガスを焚くんだよ、とね。周りはCGでも、監督が「やっぱり炎はCGじゃ作れない」ということで...。まあ、ありがたいことですよ、散々みんながやって、僕が「アッハッハ」と笑って終わりですから(笑)。汚い企業の会長みたいなものでした(会場笑)。

MC:監督、どのような経緯でたけしさんにダルマ役をと思ったのでしょうか?

羽住監督:
テレビシリーズを撮っている時に、まだ劇場版をやるとは決まっていなかったんですが、西島さんやみんなと一緒にご飯を食べながら、「(劇場版を)やりたいね」という話をしていたんです。その中で、やるとしたらいよいよダルマと倉木が対峙しないといけないのではないかという話になりました。でも、現実的にダルマを誰が演じるんだという話になった時に、「たけしさんしかいないんじゃないか」と夢物語として勝手に話をしていたんです。

MC:それで実際に劇場版が決まってオファーを?

羽住監督:
そうです。脚本も、たけしさんに出演してもらえなければ、ダルマをメインにするのはやめてちょっと煙に巻いちゃおうと思ったりしていたんですが、出演してもらえるということで、がっつりダルマと向き合いました。

MC:そうした経緯があってダルマを演じられて、「MOZU」という作品の魅力をどのように感じられましたか?

ビートたけしさん:
ちょっと深読みすれば、果たしてダルマは悪人なのかというのがありますよね。個人と社会との関係においては、ダルマの存在は、それを守るようなシステムを組織と共に考えて...って、ちょっと話が難しいですね。つまり、勧善懲悪ものみたいに「悪と正義」というような映画ではなくて、どっちの立場になるとどうなるかというのが非常によく計算されていて、映画にのめり込むとまた分からないことが出てきたりと、頭のゲームとアクション、ワガママにすべてを取りこんだような映画ですね。ある人にとっては謎解きが楽しいし、ある人にとっては視覚的なアクションや映像が楽しいし、好きな人にとっては「西島くんがかっこいい!」と、いろいろな要素をすごく含んでいます。あと自分としてはフィリピンに行かなかったことを非常にありがたく思っています(笑)。

MC:伊勢谷さんは劇場版からの出演となりますが、オファーを受けた時のお気持ちをお聞かせいただけますか?

伊勢谷さん:
最近、歴史ものを撮ると、タバコを吸っている時代背景でも、そういうシーンは撮らないじゃないですか。でも、「MOZU」のドラマを見たらそこかしこで吸っているものですから、「西島さん、ブチ切れているな!」と思いつつ、ハードボイルド感たっぷりの世界に加われるということがすごく嬉しかったです。そして、なによりたけしさんの右腕を演じられることなんてなかなかないですから、そういう意味でもすごく光栄に思いました。

MC:「MOZU」にはあまりなかったタイプのキャラクターですが、高柳を演じてみていかがでしたか?

伊勢谷さん:
僕は残念ながらフィリピンに行かせてもらったんですが...(会場笑)。

MC:残念ながら、なんですね(笑)。

伊勢谷さん:
そちらがメインだったんですよね(笑)。香川さんも先ほどおっしゃっていましたが、本当に臭いんですよ。ただ、僕はすごくクリーンな役で、そういうところには靴の裏しか触れなかったんですが、西島さんはそこの海に飛び込み、その後、鱗が舞うデッキに大の字で寝ているのを見て、「主演って大変だな」と思いました(笑)。あの臭いは本当にキツかったと思います。

MC:松坂さんも劇場版からの出演でしたが、オファーを受けてどう思われましたか?

松坂さん:
テレビシリーズから観ていて、本当に皆さんがイキイキとやっている感じが映像から伝わってきていたので、「どんな現場なんだろうな?」という好奇心をものすごく持っていたんですよね。そんな中でお話をもらったので、「あ、これは嬉しい」と思って現場に入りました。実際に現場に入ったら、スタッフ・キャストの皆さんのネジが1、2本外れているような混沌とした現場で、特にフィリピンではみんながイッちゃっているような空気感でしたね。

MC:その中でも一番イッちゃっているのが権藤という役どころだと思いますが、演じてみていかがでしたか?

松坂さん:
殺人鬼というよりは、ネジが1、2本外れた行き過ぎた芸術家みたいな感じでした。「その芸術を完成させるための過程だったら、別に人をブッ刺して殺したりしたってなんとも思わないよ」というような気持ちで行けば、ためらいは何もなかったですね。

MC:たけしさんと伊勢谷さんは、西島さん演じる倉木との対決シーンがありますね。先ほどたけしさんからもお話がありました、本物の炎の中でのシーンです。たけしさん、炎に包まれたのは間違いないですね?

ビートたけしさん:
顔が全部メイクで覆われていて、ただでさえ暑いんですよ。それなのに、周りが火ですから、チャーシュー作って、ラーメンに入れられたみたいな、異常な状態でしたよ。それでまた監督が粘るから、「はい、もう一回お願いします」、もういいだろうと思っても、「もう一回お願いします」って、しつこいんですよ(会場笑)。あとで聞いたら、たしかにフレームのサイズとかいろいろ気にする方で、僕も映画を撮りますけれど、あの粘り方はいい勉強になりましたね。もう一回撮らなきゃイヤだなと思っても、今までは「OK、編集があるから」と言っていたけれど、やっぱり思った通りの映像を撮るためには粘るのが一番だと思いましたね。役者には恨まれるだろうけれどね(笑)。

MC:ということは、若干恨んでいたということですね(会場笑)。伊勢谷さんはどうでしたか?

伊勢谷さん:
平気な顔をしていなきゃいけないんですけれど、本当に熱かったんですよね。火って上にいってくれればいいんですけれど、大きくなってくると内側に吹き込んでくるんですよね。そういう物理現象なんですけれど、そうなるとすごく熱くて...。でも、西島さんは何も言わなかったですね。あばらを折っているというのも、たぶんウソだと思いますよ(笑)。一言も言っていなかったですよね。言っていたのかな、僕は聞きませんでした。

羽住監督:
あばらは折っているなと思いましたけれど、こちらもその話題に一言も触れなかったですね。我慢するしかないですからね。

西島さん:
いや、ヒビが入っただけで折れてはいないんです(笑)。でも本当に過酷な撮影でしたね。羽住組って演技だったり、照明だったり、炎の効果だったり、特機部だったり、全部の要素であのワンカットが出来上がっている組なんです。だから、そのうちの一つが間違っていると、やっぱり「もう一回」となるんですよ。ただ、さすがにたけしさんが特殊メイクに2、3時間かけて、あんな炎の中で撮影している時は、「もういいんじゃないかな」と思いました。でも羽住さんはこういう人なので、「もう一回お願いします」と平気で言うんです。最後まで妥協はなかったですね。

MC:ということなのですが...羽住監督。

羽住監督:
まあ、劇場で観てください(笑)。

■最後に、皆さんから一言ずつメッセージが送られました!

羽住監督:
キャストもスタッフも、文字通り命がけでした。フィリピンでは、カットをかけないと本当に死んじゃうんじゃないかと思う瞬間もあったんですが、撮れている画がすごくいいのでカットをかけられなかったりと、その狭間ですごくドキドキしながら撮った映像が満載です。テレビシリーズを観ていない方でも楽しめると思います。テレビシリーズを観ていた方もまたシリーズを観返したくなるような、無限ループになる作品なので、公開中何度も観て楽しんでもらいたいなと思います。

香川さん:
今、監督がおっしゃられたことに非常に同感だなと思っております。脚本を読んだ時、むしろテレビドラマの第1話の方がメッセージだったり、社会性だったり、その裏にあるものが明確だったのではないかと思いました。映画に至るにしたがって、完結に向かうにしたがって、混沌としていき、(映画に至っては)何が言いたいのか、台本の段階ではさっぱり分からなかったんです。しかし、映像になったものを観て、「混沌としたグルグル回った何かが一つ、言いたいメッセージになっているんだ。むしろ凝縮した小さい点ではなく、拡散していくことがこの映画のメッセージなのだ」と思いました。不思議な完結の仕方をしているのが、この「MOZU」だと思います。途中から、あるいはまだ観たことがない、いろいろな方がこの「MOZU」を観ることになると思いますが、ぜひ多くの方にこの混沌とした世界観を楽しんでもらえたらいいなと思っています。

真木さん:
本当に日本映画とは思えないようなスケールのアクションで、カーチェイスや、銃、殴り合いなど、すごく迫力のある映画になっていると思います。この作品がこれからの日本映画のさきがけになって、これからそういう映画が日本映画にもっと増えていったらいいなと思います。

伊勢谷さん:
単純に枠に収まろうとしていくって、僕らモノを作る人間はやっちゃいけないことなのかもしれないと思うんです。でも、今回こういう作品で少し枠をはみ出て、なおかつこれからこういう作品が、この作品の後ろに並んでくれるような未来にちょっと期待して、皆さんにたくさん楽しんでもらえることを願っております。

松坂さん:
スタイリッシュでスリリングで、日本の映像の限界点を超えているような、本当に魂がこもった作品なのです。一人でも多くの方に観てほしいと思っています。

池松さん:
いろいろパワーアップして、いい最後を迎えられるんじゃないかなと思っています。ぜひ観てください。

杉咲さん:
今、この「劇場版 MOZU」のことを考えると、本当にゾクッとします。本当にすごい映画です。たくさんの人に観てもらいたいし、大きいスクリーンで何度でも観てください。

ビートたけしさん:
この映画を、私は実は友達と観たんですが、その友達のガンが治ってしまって、友達の逃げた女房が帰ってきました。それから、歩いたら宝くじを拾って、それが当たっていたと、とにかくいいことばかりです(会場笑)。これを観ると、元旦に明治神宮に行くよりご利益があるということで、3回観た人は課長から社長になれるぐらいの効力があります。もうみんなこれを観ればたちどころに病気が治る! くだらないね、僕...(会場笑)。

西島さん:
これだけ複雑で混沌として謎に満ちたテレビシリーズを応援してくださった皆さんの力で、ついに完結編「劇場版 MOZU」を作ることができました。でも、これで完結するんですが、同時に入門編というか、「MOZU」の世界の入り口になる作品です。シリーズを観ていた方はもちろん、観ていなかった方もぜひこの映画を入門編として観てもらって、そのあと「MOZU」の世界にどっぷりと浸かってもらえたらこんなに幸せなことはありません。ぜひスクリーンで観てください。

【舞台挨拶(挨拶順)】

羽住英一郎監督

やっと「劇場版 MOZU」が完成しました。一番最初に観てもらうお客さんを目の前にできて幸せです。今日は映画をたっぷりと楽しんでいってください。
西島秀俊さん(倉木尚武役)

混沌と謎に満ちた複雑なストーリーであったテレビシリーズを皆さんが応援してくださったおかげで、こうやって「劇場版 MOZU」が無事に完成しました。ワールドプレミアということで、初めて観客の皆さんに観てもらうことに非常に緊張しております。きっと皆さん全員に楽しんでもらえる作品が出来上がったと思っています。今日は楽しんでいってください。
香川照之さん(大杉良太役)

2年間に及ぶ「MOZU」がこれで終わりを迎えます。本当に2年間の集大成になっていると思うので、ぜひ楽しんでいってください。
真木よう子さん(明星美希役)

この映画は、人間ドラマあり、アクションあり、だけれど一番最後にホッとするような終わり方をしていると思うので、これで皆さまの夜が幸せな夜になることを...ダメだ!

MC:すごく伝わっていますよ(笑)!

真木さん:
(国際映画祭ということで、通訳が入っているため)英語で言いづらいことを言ってやろうと思ったのに...(会場笑)。
伊勢谷友介さん(高柳隆市役)

僕は、テロ計画を遂行する男です(会場笑)。皆さんが今日、帰り際に「楽しかった」と言ってくれると思います。そんな映画になっていると思いますので、ぜひ楽しんでいってください。
松坂桃李さん(権藤剛役)

この作品は大きいスクリーンで観るにはピッタリの作品です。ぜひ「MOZU」の世界観にどっぷりと浸って帰ってください。今日は本当にありがとうございました。
池松壮亮さん(新谷和彦役)

ようやく完成しました。一生懸命やりました。楽しんでいってください。
杉咲花さん(大杉めぐみ役)

今日はありがとうございます。皆さんに観てもらえることがすごく嬉しいです。楽しんでいってください。
ビートたけしさん(ダルマ役)

Thank you for coming to the Tokyo International Film Festival. I'm so excited. But in this movie I played a crazy evil....ごめんなさい(会場笑)。


MC:「ここは注目」というシーンをご自身の出演シーンから教えてもらえますか?

羽住監督:
僕にすれば全部が見どころということになってしまうので、これから観てもらうお客さんには楽しみ方をお伝えしたいと思います。ぜひ今日は左脳をシャットダウンして、右脳で楽しんでもらって、観終わった後に「なんかおかしいな」「あれ? どうだったかな」というところを、一緒に観た方と話してもらったり、またもう一度観なおしたり、ドラマに戻ってもらえればと思います。必ず答えとヒントがこの映画の中に入っていますので、今日解決しようと思わずに右脳で楽しんでもらえればと思います。

西島さん:
あるカーアクションシーンが見どころです。今日は忙しくて来られなかったんですが、長谷川博己くんというテレビシリーズから参加してくれている素晴らしい俳優さんが、またとんでもない演技をやっています(笑)。初めてご覧になる海外の方は「なんだこいつは」となると思います。その方はぜひテレビシリーズを観てもらうと、「こんなヤツがいたんだ」と思うと思います。今回の作品で一番の大爆笑は、間違いなくあのシーンだと思います。

香川さん:
そのカーアクションシーンがずっと続く訳ですが、それにカットバックするように私が演じた大杉が、杉咲さん演じた娘のことを救おうとします。そして、フィリピンの首都を離れて郊外に行き、ある廃墟のようなところで、後半にある池松さんと松坂さんの格闘シーンなどを撮影しました。そこには冬の間にコウモリが住んでいて、「ある部屋に入るとそのコウモリが出しているよく分からない空気を吸って死ぬから」と言われたり、入っちゃいけない部屋がいっぱいありました。

松坂さん:
「コウモリの糞があるところには行くな」とは言われました。

香川さん:
あなた、知らないの? 「死ぬ」って言われていたんだよ。危ないからって入っちゃダメな部屋がいっぱいあったんだよ。

松坂さん:
え、知らなかったです(笑)。

伊勢谷さん:
香川さん、スタッフにバカにされていたんじゃないですか(笑)? 死ぬわけないもんね~(会場笑)。

西島さん:
(続けて話そうとする香川さんに)もう、これ全部訳すの大変なんだから(会場笑)。

香川さん:
いや、すでに英語に訳す分量を超えちゃったからいいの(会場笑)。それぐらい命がけでやっていたというシーンを観てほしいですね。

真木さん:
私は、香川さん演じる大杉と、居酒屋で二人で飲んでベロベロに酔うという今までにないシーンがすごく新鮮で楽しかったです。あと、倉木とちょっと触れ合います(会場笑)。

伊勢谷さん:
僕は、香川さんの涙にすごく感動しました。「すごいな」と思ったのを思い出しましたね。好きなんです、あそこのシーン。あと、僕が出ているところでは、僕は汚いところに触れない男だったので、倉木さんがいつも汚いところに顔を突っ込んで、のたうち回っているのを見ながら、ああ良かったと思っていました。フィリピンだけれど僕は綺麗なままでした(笑)。でもセリフは異常に長かったんですよね。それは大変だったので、聞いてください。

松坂さん:
僕はやはり池松さんとのシーンですかね。きっと他の現場だったらここは吹替えなんだろうなというようなところでも、実際に本人同士でやらせてもらえたりして、あれはなかなかできることじゃなかったので、キツかったですけれどやっていて本当に楽しかったです。

池松さん:
そのバトルですかね。2日間ぐらいかかりましたかね。

香川さん:
でも、バトルよりコウモリの危険性の方が高いんだよ(会場笑)。

池松さん:
コウモリのことも僕は聞いていなかったですし...。

伊勢谷さん:
ほら(笑)。

松坂さん:
香川さんだけみたいですね(笑)。

池松さん:
たしかに地面が汚いなとは思っていたんですけれど、あれがコウモリの糞だったとは聞いていませんでしたね(会場笑)。

杉咲さん:
私もコウモリのことは何も知らなかったです。だから、集中してあそこのシーンはできたと思います(会場笑)。

伊勢谷さん:
(香川さんは)集中していないんだよ(笑)。

西島さん:
映画とコウモリ、全然関係ない(会場笑)!

杉咲さん:
香川さんは頭の隅にコウモリがいたけれど、私にはいなかったです(会場笑)。

■最後に、皆さんから一言ずつメッセージが送られました!

羽住監督:
今日は劇場に足を運んでくださって、本当にありがとうございます。今日はたっぷりとこの映画を楽しんでもらって、テレビシリーズを観たことがある方もない方も、テレビシリーズを観なおして、もう一回劇場に戻ってきてもらえると、よりこの世界にどっぷりハマってもらえるんじゃないかなと思います。「MOZU」の無限ループの世界を楽しんでください。

香川さん:
もちろんこの2年間の締めであるこの映画には、非常に大きなうねりがあって、ダルマという最大の敵を中心に「MOZU」が解決を迎えます。この中で僕が演じた大杉という役は、最初は刑事だったんですが、原作に合わせて映画ではなぜか探偵になっているところからスタートします。この場を借りて宣伝させてもらうと、11月7日の公開前後、11月2日と15日にスピンオフがあって、なぜ探偵になったかが描かれます。それも含めて観てもらえると、より映画が楽しめると思います。ぜひ楽しんでください。

真木さん:
この劇場は音がいいんですよね。本当にすごい迫力でビックリすると思います。楽しんでいってください。

伊勢谷さん:
今回は大きな敵として、ダルマという具現化した存在がいますけれども、実は私たちが戦わなきゃいけないのは、自分たちの心の中にいる小さいダルマたちなんですね。なので、この映画を観た後に戦いが始まるので、しっかり心してください。そして、勝てなかった人はもう一回観に来てください。僕がまた悪い道をどんどん教えます(笑)。何を言っているんでしょうね(会場笑)。とにかく何も考えずに観てください。何か探して見つけてくれたら嬉しいです。ありがとうございました。

松坂さん:
もうとにかくスケールアップして帰ってきました。観終わった後に、「すごいもの観たな」「もう一回観たいな」と思ってしまうような映画だと、僕は思っております。ぜひ最後まで観て楽しんで、その感想をまだ観ていない方に伝えてもらえるとありがたいです。

池松さん:
真木さんが疲れちゃってヒールを脱いじゃったので簡潔にお話します(笑)。楽しんでいってください。日々のイヤなこととか忘れて楽しんでもらえればと思います。ありがとうございます。

杉咲さん:
何度でも大きいスクリーンで観てもらいたいです。ぜひ仲の良い方にも宣伝してください。今日はありがとうございました。楽しんでいってください。

ビートたけしさん:
この映画を観た後に、友達とか、会社の同僚に会って、感想を聞かれると思いますけれども、その時は必ず私の名前を出して「たけしが良かった」「たけしはすごい!」と言ってください。あとはどうでもいいですから、とにかく私だけを褒めてください(会場笑)。よろしくお願いします。

西島さん:
今こうやって並んでも、本当に素晴らしい、自分でも信じられないようなキャストの皆さんが揃っています。特にその中でも、僕にとっては、まだ自分が名もなき頃に見出してくださって「Dolls」という映画でキャスティングしてくださったビートたけしさんが今回出演してくださいました。全員で文字通り命がけの撮影ができ、僕の俳優人生の中で本当に宝物のような作品になりました。大きなスクリーンで観てもらいたいです。アクションはもちろんですが、俳優の演技合戦もぜひ楽しんでもらいたいと思います。今日は楽しんでいってください。ありがとうございます。

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