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監督・降旗康男×撮影・木村大作
日本映画界のレジェンド二人と岡田、小栗が贈る
「追憶」Legend Film Festival 開催!!

2017年05月04日

「追憶」公開直前イベント

<左から、木村大作さん、小栗旬さん、降旗康男監督>

「あ・うん」(89)、「鉄道員(ぽっぽや)」(99)など、日本映画史の名作の数々を生み出した、降旗康男監督×木村大作キャメラマンによる最新作「追憶」が5月6日ついに公開! これを記念して5月4日に二人の初タッグ作「駅 STATION」(81)、「夜叉」(85)、そして本作「追憶」を一挙上映する"Legend Film Festival"を東京・新橋の FS汐留で開催しました! 上映後には降旗監督、木村キャメラマンに加え、岡田准一さん、小栗旬さんも参加してのトークイベントを実施。ここで、数々の名作や名優に関する裏話がポロリ...? 大興奮のトークイベントの模様をレポートいたします。


岡田准一さん(四方篤役)
長い時間、観てくださってありがとうございます。皆さんは映画好きの方々だと思います。現場の秘密の話、伝説の話などを伺えればと思います。
小栗旬さん(田所啓太役)

皆さん、ご苦労様です。この四人でのお話が楽しみです。
木村大作さん(撮影)

降旗監督と僕は人生の終末を歩いていて、ここにいる若いお二人に次の映画界を背負ってもらうために頑張っています。今日は楽しく過ごしたいと思います。
降旗康男監督

この映画で、ここにいる若いお二人に元気をもらいました。その理由を少しでもお話しできたらと思います。


MC:降旗監督と木村大作キャメラマンは、「駅 STATION」で初めて仕事をご一緒されたと聞きました。そのときのお互いの印象についてお聞かせください。

木村さん:
36年前に初めてお会いしたとき、降旗さんは髪がフサフサでした(笑)。降旗さんは当時から撮影現場で怒ったことがない、物静かな方でしたね。私は当時、血気盛んな青年でとても生意気なキャメラマンでした!

小栗さん:
今も変わりませんね(笑)!

木村さん:
降旗さんは日本で一番のインテリ監督です。僕は「哲学者」と呼んでいます。発する一言が非常に深いです! 言葉の意味はすぐに理解できないけれど、だんだん分かっていきます。素晴らしい方です。

降旗監督:
「駅 STATION」で大ちゃんと初めて仕事をして、「声の大きい人だ」と思ったけれど「僕と合っているな」と感じました。「駅 STATION」以降、16作品もお付き合いさせてもらっています。その中で僕はたくさん助けてもらい、楽をさせてもらったなと思います。これから先、時間があるか分からないけれど、また新たな仕事ができたらいいなと思っています。

MC:「駅 STATION」で高倉健さんと初めて三人でお仕事をされたのですか?

木村さん:
私、個人としては「八甲田山」が最初で、次が「駅 STATION」ですね。健さんは東映の大スターです。「八甲田山」の撮影時、僕が35歳で健さんが45歳でした。最初は「なにが高倉健だ」と思いながら仕事をしていました。「健さんの顔なんてどうでもいいんだ、俺は山が撮りたいんだ!」と言うと、現場に来た健さんも「やはり、俺の顔より山だな」と言っていたのが最初の言葉だったことを思い出しました。最初は「木村さん」と呼ばれていたのが「大ちゃん」、僕も「健さん」と呼ぶようになって、僕は「大ちゃん」と呼ばれると直立不動で気をつけしていました。それほどまで健さんに神経が集中していましたね。最初「駅 STATION」では実は、キャメラマンは別の人が、やる予定でした。けれど「八甲田山」で長く付き合ったことで健さんが「やっぱり木村でやろうか」と言ってくれました。そこで降旗さんと出会い、今に繋がっています。健さんの言葉がなければ、僕はここにいません。

岡田さん:
そのジャケットは健さんからもらったものですか?

木村さん:
そうです。健さんからいろいろなものをもらいました。

MC:岡田さんは「駅 STATION」が公開された1981年は一歳ですよね?

岡田さん:
「駅 STATION」の撮影をしているとき、ちょうど僕が生まれた頃ですね。僕らが思っている健さんのイメージを作られたのはお二人ですよね。

MC:岡田さんからお聞きしたいことは何かありますか?

岡田さん:
「駅 STATION」の脚本は倉本聰さんですが、お二人は倉本さんと仲は良いですか?

木村さん:
倉本さんは降旗さんの大学時代の後輩です。

降旗監督:
学校は不思議なもので「先輩だから全部預けます」というところがあって、全くケンカはしませんでした。

木村さん:
倉本さんが脚本のセリフの上に「クローズアップ」と撮影の指示を入れて僕に送ってきたことがあります。なので「そんな仕事はやらない。俺が撮るんだから好きにやる。どうするんだ?」と文句を言うと「木村さんが撮るなら好きにやってください」と言われました。結局キャメラは意地でやっているようなものです。

MC:「夜叉」について、岡田さん、小栗さんの感想をお聞かせください。

岡田さん:
やはり健さんのすごさと田中裕子さんがすごいですね。

木村さん:
商店街を歩いている二人のシーンがあったのですが、ものすごく波が強くて、波を見て降旗さんに「今日は波がすごい。あそこで撮りたい。商店街で歩いているのは画にしにくいから」と言ったら「どうぞ」と言ったので、スタッフと田中さんを現場に連れて行きました。そのとき健さんは、腰が悪くてお休みしていたのですが僕が旅館に迎えに行き、「もう三日も休んでいるのでドライブでも行きませんか?」と現場に連れて行きました。車を止めて「健さん、すごいですね」と言うと健さんが「すごいね。感じるね」と言ったので「実はあそこに豆粒みたいに立っているのは、スタッフと田中裕子さんなのですが、少しだけ現場に来てくれませんか? 座っているだけで済むので」と言って、それがあの名シーンになりましたね。

岡田さん:
今回の「追憶」でも、桜のシーンは現場で見て「追加しよう」となりましたよね。そのとき小栗くんは蕎麦屋で待っていてくれました(笑)。

小栗さん:
僕は柄本佑と二人で蕎麦を食べていました(笑)。

木村さん:
撮影は台本通りにいきません。キャメラマンの仕事で大事なことは、セッティング、場所選び、状況です。桜が満開で、次の現場に向かうまで二時間あるので「岡田さんを撮らせてくれませんか?」と言って急いで撮ったカットが入っています。

岡田さん:
予告でもあの桜の画が映りますね。

MC:お二人が組んだ15作品のポスターが並んでいます。小栗さんがお好きな作品はどちらですか?

小栗さん:
准一くんとも話していたのですが、「鉄道員(ぽっぽや)」を最近になって改めて観ると、当時観たときとは印象が全く違います。すごくファンタジーなお話なのにもかかわらず、お二人が「これはファンタジーです」という撮り方をしていません。そこに違和感がなくて「染みる映画だな」と思います。

MC:岡田さんはいかがですか?

岡田さん:
今日皆さんに観てもらった「夜叉」と「駅 STATION」、そして「居酒屋兆治」の三作品は、僕の中で深く刺さっている三部作ですね。この三部作で50代の健さんのイメージが作られたと思います。僕も50代になったとき、こんな雰囲気が出せる男になれたらいいなと思います。

MC:本日、大きなフィルムカメラが舞台上に置かれています!

岡田さん:
こんなにも大きなフィルムカメラで撮られることはカッコ良くて、俳優にとって嬉しいことだと思います。

MC:ここで岡田さんと小栗さんに、このカメラで実際に撮影をしてもらいます!

岡田さん:
ピントをどうしますか? 大作さんがやりますか? 大作さんはピントを測らなくても目測で合わせられるんです。

木村さん:
目測を若いときに訓練しましたね。当時は、ピントが合っていなかったら撮り直さないといけませんでした。訓練したこともあって、あの天下の黒澤明に褒められました。それが今に繋がっています! (会場:拍手)

岡田さん、フィルムカメラ撮影を実演!

岡田さん:
覗いているだけで、耳元で「シャー、シャー」と音が聞こえますね。僕らには憧れのカメラですよ。このカメラを回せるなんて幸せな時間です。

続いて、小栗さんが撮影を実演!

小栗さん:
これは嬉しいですね! 楽しいです!

岡田さん:
大作さんはカメラを覗くと「体調が分かる」と言います。歴代の名優さんたちが、「大作さんの前では嘘をつけない」と言うのを聞きました。

小栗さん:
実際、撮影の最終日に木村さんから「お前、今日は二日酔いだろ」と言われました(笑)。ちなみに今日は飲んでいないです(笑)。

木村さん:
長くやっていると肉眼で分からないことも、カメラを覗くと頭の中で考えていることまで分かります。

降旗監督、木村大作キャメラマンから、記念のプレゼントを岡田さん、小栗さんに贈る。

小栗さんに贈られたのは、「鉄道員(ぽっぽや)」の帽子と「駅 STATION」のライター。

小栗さん:
すごいもの出てきた! 「鉄道員(ぽっぽや)」の大作さんの帽子ですか? 

木村さん:
機関士さんの帽子で、題名と名前を入れて撮影中に被っていました。もう一つは「駅 STATION」の撮影時に、高倉健さんが自分の彫を入れて、全スタッフに配ってくれたZIPPO(ジッポー)のライターです。「八甲田山」まで健さんはタバコを吸っていて、それまで贈り物はライターでした。健さんはその後吸わなくなり、僕は吸い続けてきました。「大ちゃん、タバコ辞めた方がいいよ」とよく言われました。でも僕はやめていません(笑)。

小栗さん:
こんなにすごいものをもらっていいんですか?

木村さん:
いいです。僕ら二人とも、先は長くないから後を継いでほしい。

岡田さんに贈られたのは、「駅 STATION」の台本と「夜叉」の帽子。

岡田さん:
今の台本より、すごく分厚いですね。

小栗さん:
岡田くんと同い年の台本だね。

岡田さん:
"1980年12月1日"と台本にあります。もう一つは帽子ですね。

降旗監督:
「夜叉」のときの帽子です。当時、全スタッフに配られたものですが、この帽子には一番のシリアルナンバーが入っています。

小栗さん:
お二人とも、お元気でいてください!

降旗監督:
僕らも頑張りますが、お二人も頑張ってください。

岡田さん・小栗さん:
頑張ります!

MC:岡田さんから最後に皆さんにメッセージをお願いします。

岡田さん:
5月6日に、いよいよ公開です。すごく緊張感がありながら二人の愛に包まれた温かい現場を経験できました。日本映画の熱い思いを皆さんに感じてもらえたら嬉しいです。「追憶」をいろいろな方に勧めてください。

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